大学院博士課程の平成31年4月開設が認可されました。
2018年9月3日
この度、本学大学院複合芸術研究科に複合芸術専攻博士課程の平成31年4月開設が認可されました。
本課程は、1学年2名、修業年限を3年としており、現代芸術を「複合の視点」から理論化・体系化を試みる研究を行い、現代芸術領域を先導していくことを目標としています。
秋田を舞台に地域と連携しながら、芸術を通じた様々な取組を行ってまいりますので、ご期待いただければと思います。
以下に、本課程の概要を記します。
博士課程概要
・課程 大学院複合芸術研究科博士課程(Graduate School of Transdisciplinary Arts)
・専攻 複合芸術専攻(Course of Transdisciplinary Arts)
・修業年限 3年
・入学定員 2名
・学位 博士(美術)(Doctor of Art)
・開設時期 平成31年4月
参考資料:概要資料(学部、修士課程との関連図)(PDF:90KB)
教育理念
アドミッションポリシー
本課程は、現代芸術を「複合の視点」から理論化を試みる研究を行うことで、現代芸術領域及び社会に新鮮な視点や思考の転換を発信し、新たな道筋を示しながら現代芸術領域の拡張と持続可能な社会の構築に広く貢献する表現者、リーダー及び研究者を育成することを教育目的としています。
この目的を達成するために本課程が求める人材像は次のとおりです。
① 複合の視点から自立した研究に取り組み、表現手法の拡張や現代芸術の理論化を探求していく人
② モノ・コトの成り立ちを解析し、領域を横断する高い観点から、自らの創造性や思考の転換に基づく成果によって、芸術領域及び社会に新たな価値を提示する人
③ 現代芸術の研究を通じて、複合の視点からの理論化に取り組み、「複合芸術」の体系化を担っていく意欲のある人
カリキュラムポリシー
本課程の教育目的達成に向けた基本的な教育課程編成等の考え方を、以下にカリキュラムポリシーとして示します。
① モノ・コトの複合性を要素単位で紐解く自立した研究を通じて、自らの分析力と解析力で現代芸術のみならず社会的事象の本質を捉える力を養う。
② 表現と理論双方からの研究を通じて、複合の視点に基づく発想の転換や理論の応用を新たな表現や課題解決策につなげる力を養うとともに、表現と理論が相互に裏付けされた研究成果を導く。
③ 複合の視点からの研究を通じた表現や理論の成果を社会に広く発信する力と、実社会に適用させ人々を巻き込む求心力を養う。
ディプロマポリシー
本課程の修了に際しては、以下の能力を備えることを基準とします。
① 複合の視点からモノ・コトを要素単位で分析、解析し、現代芸術に限らず、社会的な課題等に関しても事象の本質を捉える能力
② 表現と理論の双方から多面的にモノ・コトを捉えながら、発想の転換や理論の応用をもとに、現代芸術及び社会に新しい視点を提示できる能力
③ 複合の視点からの学際的な研究に取り組み、その成果を社会に発信・適用していくことで、人々を巻き込みながら現代芸術や地域を牽引していく能力
指導教員
専 門 | 指導教員氏名 | 備 考 |
ソーシャルデザイン | 尾登 誠一 教授 | 研究科長 |
比較文化学/文化史 | 白杉 悦雄 教授 | 2019年4月採用 |
ビジュアルアート | 小田 英之 教授 | |
アートプロジェクト | 藤 浩志 教授 | |
プロジェクト型アート | 岩井 成昭 教授 | |
プロダクトデザイン | 今中 隆介 教授 | |
美術史 | 志邨 匠子 教授 | |
アーバン・スタディーズ | 岸 健太 教授 | |
情報科学 | 飯倉 宏治 教授 | |
芸術人類学 | 石倉 敏明 准教授 | |
映像メディア | 萩原 健一 准教授 | |
アートマネジメント/キュレーション | 服部 浩之 准教授 | |
哲学/文化人類学 | 唐澤 太輔 准教授 | 2019年4月採用 |
教育課程
本課程は、学生が「表現」及び「理論」双方からの研究を通じて、理論に裏打ちされた表現の拡張や、現場での実証を踏まえた理論の構築を可能とするため、教員がそれぞれチーム指導を行う「複合芸術表現系」と「複合芸術理論系」の2つの系を設定しています。「複合の視点」から社会との関係性を深めている現代芸術を対象に、表現の成り立ちと理論化の双方を両輪とする研究を通じて、現代芸術及び地域社会をリードしていく高度人材を育成することを目標としています。
①「複合芸術表現系」
複合芸術表現系は、現代芸術が関わる多様な表現の成り立ちに着目した研究を通じて、表現手法を要素単位で解釈したうえで、自らの表現の拡張による現代芸術の探求、芸術表現を通じた新しい視点や枠組みの提示、さらには、領域横断的試行に基づく芸術を通じた社会的イノベーションの創出などに取り組む分野です。
具体的には、近年活発化しているアートイベント等を題材に、表現を構成する要素である表現者の技法、取り巻く環境、関係者、場所、文化的背景などを踏まえて、その成立過程を表現者の内部で生じる内的複合と、外部との関わりの過程で生じる外的複合の視点から紐解き、仮説を設定したうえで、芸術的な側面はもとより関連領域までを含む調査・考察によって研究を進めます。
本分野の研究を進めることによって、多様な取組が行われている現代芸術の類型化と要素単位での検証を通じた課題や成果等が蓄積され、新たな表現の創出や視点の提示の礎となるほか、現代芸術に係る「複合の視点」からの体系化を図ることが可能となります。
②「複合芸術理論系」
複合芸術理論系は、地域等の課題へのアプローチや他領域との複合による新たな価値の創出などが活発化している現代芸術を対象に、「複合の視点」からの成果の検証等を通じて、多様な取組に内在する相関や因果などの法則に関する仮説を設定し、複合という切り口からの理論化・体系化を試みる分野です。
例えば、アーティストやプロデューサー、コーディネーター、キュレーター、ボランティアなど、多くの関係者が協働している事例を対象に、内部・外部で生じた「複合」を想定しながら、場所性やテーマ、芸術的価値、地域的意義、効果、影響など、様々な切り口から対象を掘り下げるテーマを設定し、検証及び理論化を進めます。
こうした「複合の視点」からの理論が蓄積する本分野の研究は、現代芸術の研究者や領域の拡張を試みる表現者に新たな視座をもたらすとともに、領域横断的な文化政策の推進を学術面から後押ししながら、現代芸術の現場、地域を担う組織・団体、学術的研究等においてリーダーとなる高度人材の輩出を可能とします。
参考資料: ①教育課程概念図(PDF:97KB) ②カリキュラム(修了要件)(PDF:119KB) ③シラバス(PDF:371KB)
入学試験(詳細は9月下旬公表予定の募集要項をご確認ください)
試験区分 | 一般選抜 | |
募集人員 | 2名 | |
出願時期 | 11月中旬~下旬(予定) | |
試験内容 | 一次選考 | 書類審査 |
二次選考
12月中旬~下旬(予定) |
論述試験 | |
面接(口頭試問含む) | ||
合格発表 | 2019年1月(予定) | |
入学金 | 秋田市内居住者 | 282,000円 |
上記以外の者 | 423,000円 | |
授業料 | 年額(前期、後期に分納) | 535,800円 |
入学前の研究指導相談の実施について
本課程においては、現代芸術を「複合の視点」から理論化・体系化を試みる研究を行うことで、現代芸術領域の拡張と持続可能な社会の構築に寄与することを目的としています。それに伴い、入学対象としている方については、本学修士課程修了者に限らず、現代芸術の現場で活動する作家や社会人等の美術関係者も対象としており、多種多様な分野、領域からの研究テーマの設定を想定しています。
これらの方に対し、入学希望者が本課程において実践しようとする研究計画を事前に相談の上、本課程における教育・研究目標に則した研究内容であるかを事前に志望する研究指導教員から研究計画や修学に関する相談ができる機会を提供するため、出願前に「入学前の研究指導相談」の受付を実施します。
本学大学院ホームページ(URL:https://www.akibi.ac.jp/daigakuin/)の【お問い合わせ】から必要事項および相談内容を記入の上、メールにてご連絡ください。相談内容を確認の上、お返事いたします。
長期履修学生制度(詳細は募集要項に併せて9月下旬に公表予定です)
①趣旨
本課程では、社会人学生等で3年間の標準修業年限内での修学があらかじめ困難であることが見込まれる学生に対して、標準修業年限を超えて一定の延長期間を加えた期間での、計画的な教育課程の履修を認め、課程の修了を可能とし、社会人学生の積極的な受け入れを図ることを目的に「長期履修学生制度」を実施します。
授業料は、標準修業年限の在学が予定されている学生との均衡に配慮しつつ、学生の負担軽減を図る観点から、標準修業年限分の授業料に相当する額を計画的に履修することが認められた一定の期間で分割することとなります。
②修業年限
職業を有している等の事情により、標準修業年限では本課程の教育課程の履修が困難な場合、当該学生が修業年限を超えて計画的に教育課程を履修する旨を原則として入学時に申し出た時は、その計画的履修を認めます。長期履修の期間は、年単位で認定することとし、3年間までの延長を認めます。
③履修指導、研究指導の方法
通常の学生と同様、学生を担当する指導教員を決定します。
指導教員は、入学時に当該学生に対して履修方法、研究指導方法等に関する相談指導を行い、履修期間の設定に係る助言を行います。また、指導教員は、学生が認められた履修期間内で修了できるよう、計画的な授業科目の修得、或いは研究活動の適切な進行について助言・相談を行います。
④授業の実施方法
長期履修学生のための特別な時間割は設けませんが、定められた修業年限の中で順序だてて履修できるよう必要な履修指導・相談を行います。