秋田公立美術大学卒業研究作品展2017
秋田公立美術大学卒業研究作品展2017
「Re MAP 地図にない道を行く」は、2013年に開学した秋田公立美術大学(以下秋美)の
入学一期生による卒業研究作品展です。秋美の学生は新しいカリキュラムの元、「絵画」
「彫刻」「工芸」「デザイン」「建築」といった既存のジャンルにとらわれず、横断的に様々な
分野を組み合わせた表現手法を研究してきました。それはまるで「地図を持たない探検の
日々」でした。秋田の自然のように広大な表現のフィールドを、手探りで歩き回る中で私たち
は新しい地図のかけらを見つけました。そして、その地図を更新していく行為を「Re MAP」
と名付けました。大学での4年間を終えた後の、新たな探検の第一歩として、この展覧会を
開催しました。
【会期・日時】2017/2/16(木)~20(月) 10:00~18:00(入館は17:30まで)
【会場】秋田県立美術館(〒010-0001 秋田県秋田市中通1丁目4-2)
秋田市にぎわい交流館AU(〒010-0001 秋田県秋田市中通1丁目4-1)
【主催】 2017秋田公立美術大学卒展実行委員会/秋田公立美術大学
【後援】 秋田市/秋田魁新報社/NHK 秋田放送局/ABS 秋田放送/
AKT 秋田テレビ/AAB 秋田朝日放送/CNA 秋田ケーブルテレビ
学長賞
「淵源回帰」
永沢 碧衣 Nagasawa Aoi
(アーツ&ルーツ専攻)長期間にわたるフィールドワークを経て意欲的な絵画の制作に取り組んだ。鮭・鱒などの魚が遡上しながら傷つき、中には死を迎えるものがいる中で生命の力強さと輪廻をテーマに壮大なスケールの作品として描いた。作者自身のルーツに迫った作品である。
絵画作品
学長奨励賞
「わたし ちらし されたし」
佐藤 来美 Sato Kurumi
(ビジュアルアーツ専攻)現代における消費と欲望、性(女子高生)の商品化、匿名性(後ろ姿の顔の見えない女子高生)を、増殖するパネルで構成。作者が日頃感じる他者からの評価と日常的なスーパーのチラシ、特売の値札などと対応させ、現代の若い女性が置かれている状況を暗示しながら、鑑賞者の視線を複数のパネルで誘導し、多様な解釈を促す作品である。
平面作品
きらり早瀬眞理子奨励賞
「装折 よそおる」
尾藤 珠美 Ofuji Tamami
(ものづくりデザイン専攻)一枚の布を紙のように折って染め、今までにない表情や捉え方ができないかという考えから生まれた染色のアクセサリーである。折って染める事で出来る柄があり、染め上げた布を再び折る事で色の変化を楽しめる。この作品の中には、きらりと光る折と染色のハーモニーが表現されている。
アクセサリー6点、冊子2冊
秋田市長特別賞
「防災を意識した暮らしのデザイン」
目黒 里香 Meguro Rika
(景観デザイン専攻)これまで災害が起こるたびに新たなまちづくりを繰り返してきた経緯を踏まえた防災を意識した新たな新屋のまちづくりの提案。現地調査の結果から、「シェア畑」「ビジネスパーク」「見晴らし公園」「実のなる通り」「美大」など7つのアイデアを提案した。
説明パネル5枚、模型1点
秋田魁新報社特別賞
「Project for Senshu Park」
佐藤 和平 Sato Kazuhira
(景観デザイン専攻)秋田市の中心地にある千秋公園を歴史とアートを発信する拠点として整備する計画。本丸エリア、二の丸エリア、お堀エリアの三つを中心にアートの関連施設を設けてエリアの回遊性を高め、公園全体を一つの美術館として見立て、歩いていて飽きないシークエンスをデザインした。
説明パネル1点、模型1点
ABS秋田放送特別賞
「邪-よこしま-」
浅井 凜子 Asai Rinko
(ビジュアルアーツ専攻)作者の内面にある邪な感情が、シャツに表現されている。繊細なペンによって描かれた作者の感情は、シャツの内側からこちらを覗き、そして、うっすらと反転し映し出されることによって、あらゆるモノ・コトが、混沌と渦巻く現在を生きる作者自身の言葉や感情が表現された作品である。
ペン画
AKT秋田テレビ特別賞
「川文化と交錯するまち-川からはじまる結びの文化-」
粟津 裕美子 Awatsu Yumiko
(景観デザイン専攻)現代における新たな川文化を創り出し、人と川とが交錯できる場とそこで行われる【川結び】という川を舞台にした婚姻儀式の提案。大曲地域の方々が愛する花火の火の力と、舞台となる丸子川の水の力を組み合わせた火水(かみ)に祝福される婚姻儀式を通して、人と川、街中や地域の魅力等が惹かれ合い、結ばれる物語が生まれるまちを構想した。
パネル5枚、模型1点、布作品1点
AAB秋田朝日放送特別賞
「復活を目指す呉服店の企画の提案」
小山 真実 Oyama Mami
(コミュニケーションデザイン専攻)東日本大震災により営業を停止している宮城県気仙沼市の祖父母の呉服店の復活を提案。一度津波で流された晒を使って復活の服を制作し、コンセプトイメージとした。また、主に気仙沼・東北を題材にしたテキスタイルデザインを制作し、気仙沼発テキスタイルブランド「錦錦」を企画した。
ポスター2点、リーフレット1点、
本2冊、服2着CNA秋田ケーブルテレビ特別賞
「男鹿半島観光サインの提案及び研究」
石橋 悟 Ishibashi Satoru
(コミュニケーションデザイン専攻)多くの観光名所が点在する男鹿半島は車両を利用した観光客が訪れる。本研究ではサインシステムを研究し、秋田の地域文化(男鹿半島)や観光産業を活性化するため男鹿半島にふさわしい観光サインを提案した。
観光サイン8点、説明パネル2点