秋田公立美術大学卒業研究作品展2018

 

秋田公立美術大学卒業研究作品展2018

空にまったりとした薄鳩色が広がって あたりは静かに白化粧
びゅーっと海風が吹くと 雪はばらばらと散ってゆきます
今日も白く吹くこのまちで わたしたちは暮らし、つくってきました
厳しい寒さに身をすくませ やがて来る春を思う季節は
新たな芽吹きの力を育む 豊かで暖かな時間です

卒業研究作品展「ここで春ひらき」は、秋田公立美術大学生の4年間の学びを皆様にご覧いただける貴重な機会です。

秋美の学生は、「絵画」「彫刻」「工芸」「デザイン」といった既存のジャンルにとらわれない新たな領域を拓くため、

様々な分野を組み合わせた表現手法を日々醸成してきました。

一人ひとりが積み上げてきた時間の形を是非お楽しみください。今ここから、春へと向かう道をひらいていきます。

 

【会期・日時】2018/2/23(金)~27(火) 10:00~19:00(最終入館は18:30まで)

※23日のみ開催時刻は13:00。27日のみ最終入館は17:30。

【会場】 秋田市にぎわい交流館AU(〒010-0001 秋田県秋田市中通1丁目4-1)

あきた文化産業施設「松下」(〒010-0876 秋田県秋田市千秋公園1-3)

美大サテライトセンター(〒010-0001 秋田県秋田市中通二丁目8-1 フォンテAKITA6階)

【主催】 2018秋田公立美術大学卒展実行委員会/秋田公立美術大学

【後援】 秋田市/秋田魁新報社/NHK 秋田放送局/ABS 秋田放送/

AKT 秋田テレビ/AAB 秋田朝日放送/CNA 秋田ケーブルテレビ/

あきびネット

  • <p>学長賞 </p>
<p>「わたしの家族のはなし」</p>
<p>西永 怜央菜  Nishinaga  Reona<br />
(アーツ&ルーツ専攻)</p>
<p>自分の家族や祖先の歴史をリサーチした上で、影絵の手法を主に用いて制作された作品。通常、影絵は幕に映った影だけを鑑賞するが、この作品では幕の裏側に回り込んで鑑賞することもできる。影絵の台紙は作者がフィールドワークの際に撮影した写真を使用しており、影、写真、家族、時間、皮膜などが重層的に重なり合った複雑な作品になっている点が素晴らしい。</p>
<p>影絵</p>

    学長賞 

    「わたしの家族のはなし」

    西永 怜央菜  Nishinaga Reona
    (アーツ&ルーツ専攻)

    自分の家族や祖先の歴史をリサーチした上で、影絵の手法を主に用いて制作された作品。通常、影絵は幕に映った影だけを鑑賞するが、この作品では幕の裏側に回り込んで鑑賞することもできる。影絵の台紙は作者がフィールドワークの際に撮影した写真を使用しており、影、写真、家族、時間、皮膜などが重層的に重なり合った複雑な作品になっている点が素晴らしい。

    影絵

  • <p>学長奨励賞</p>
<p>「わたしとあなた」</p>
<p>田中 里姫  Tanaka Saki<br />
(ものづくりデザイン専攻)</p>
<p>作品とはそもそも何なのか?そんな根本的な問いかけから始まった卒業研究だったが、作り続け失敗し、悩み問い続ける過程で、素材の持つ特性と自己の心象風景とを徐々に重ね合わせていき、結果として鑑賞者との会話をうながすような間を持った作品となった。吹きガラスによる柔らかなフォルムと、相反する素材の緊張感を、洗練された感覚で共存させた点、作品として鑑賞者のイメージを創発するような力を持つ完成度の高さ、期間を通して粘り強く研究に取り組んだ姿が評価できる。</p>
<p>ガラスによる立体造形作品1組</p>

    学長奨励賞

    「わたしとあなた」

    田中 里姫  Tanaka Saki
    (ものづくりデザイン専攻)

    作品とはそもそも何なのか?そんな根本的な問いかけから始まった卒業研究だったが、作り続け失敗し、悩み問い続ける過程で、素材の持つ特性と自己の心象風景とを徐々に重ね合わせていき、結果として鑑賞者との会話をうながすような間を持った作品となった。吹きガラスによる柔らかなフォルムと、相反する素材の緊張感を、洗練された感覚で共存させた点、作品として鑑賞者のイメージを創発するような力を持つ完成度の高さ、期間を通して粘り強く研究に取り組んだ姿が評価できる。

    ガラスによる立体造形作品1組

  • <p>きらり早瀬眞理子奨励賞 </p>
<p>「Minerals」</p>
<p>鯨井 菜未 Kujirai Nami<br />
(ものづくりデザイン専攻)</p>
<p>作者自身が所有する鉱石コレクションの中からモチーフを選び、個々の形態や色調から受ける印象を独自の感性で捉え制作された作品。伝統的な染色技法の一つである型染を用い、作者の感じた鉱石の魅力が充分に表現されている。自然が作った鉱物と人の手を介して形づくられたガラスの組み合わせが、見る人の心に共感とも違和感ともいえる不思議な感情をもたらし、目に見えない世界への関心をいざなう。もう一歩近づくとまた違う世界がみえてくるかもしれないと期待させる魅力を持った作品である。</p>
<p>ファブリックパネル13点、ガラスの鉱物展示台6点</p>

    きらり早瀬眞理子奨励賞 

    「Minerals」

    鯨井 菜未 Kujirai Nami
    (ものづくりデザイン専攻)

    作者自身が所有する鉱石コレクションの中からモチーフを選び、個々の形態や色調から受ける印象を独自の感性で捉え制作された作品。伝統的な染色技法の一つである型染を用い、作者の感じた鉱石の魅力が充分に表現されている。自然が作った鉱物と人の手を介して形づくられたガラスの組み合わせが、見る人の心に共感とも違和感ともいえる不思議な感情をもたらし、目に見えない世界への関心をいざなう。もう一歩近づくとまた違う世界がみえてくるかもしれないと期待させる魅力を持った作品である。

    ファブリックパネル13点、ガラスの鉱物展示台6点

  • <p>秋田市長特別賞 </p>
<p>「orite」</p>
<p>小野寺 絢子 Onodera Ayako<br />
(コミュニケーションデザイン専攻)</p>
<p>手紙用封筒を季節の模様や旅先で見つけたもので自由に演出できるキット。SNS隆盛の中、感触や匂い、雰囲気など従来の手紙が持つ魅力を演出するアイデアを、豊富で楽しい作例と共に示している。</p>
<p>封筒30点</p>

    秋田市長特別賞 

    「orite」

    小野寺 絢子 Onodera Ayako
    (コミュニケーションデザイン専攻)

    手紙用封筒を季節の模様や旅先で見つけたもので自由に演出できるキット。SNS隆盛の中、感触や匂い、雰囲気など従来の手紙が持つ魅力を演出するアイデアを、豊富で楽しい作例と共に示している。

    封筒30点

  • <p>秋田魁新報社特別賞 </p>
<p>「ものづくりの前後を踏まえた、ヒトとヒト、ヒトとモノとの繋がりを生み出す地域の学び舎」</p>
<p>髙山 美紀 Takayama Miki<br />
(景観デザイン専攻)</p>
<p>秋田県湯沢市三関地区の現小学校の敷地に、地域の学び舎を提案。小学校・こども園・ものづくり工房の3つ要素が重なり、ものづくりを通した活動と交流の場として機能していく。地域住民がつくったモノを地域へ見える形で発信することで、地域に住む一人ひとりの持つ力を認知することや地域内で新しいアクションを起こす時のきっかけをつくる場となることを想定している。</p>
<p>建築模型1点、対象敷地模型1点、解説パネル4点</p>

    秋田魁新報社特別賞 

    「ものづくりの前後を踏まえた、ヒトとヒト、ヒトとモノとの繋がりを生み出す地域の学び舎」

    髙山 美紀 Takayama Miki
    (景観デザイン専攻)

    秋田県湯沢市三関地区の現小学校の敷地に、地域の学び舎を提案。小学校・こども園・ものづくり工房の3つ要素が重なり、ものづくりを通した活動と交流の場として機能していく。地域住民がつくったモノを地域へ見える形で発信することで、地域に住む一人ひとりの持つ力を認知することや地域内で新しいアクションを起こす時のきっかけをつくる場となることを想定している。

    建築模型1点、対象敷地模型1点、解説パネル4点

  • <p>ABS秋田放送特別賞 </p>
<p>「atuy poro ruyka」</p>
<p>小林 利華 Kobayashi Rika<br />
(ものづくりデザイン専攻)</p>
<p>タイトルはアトイ ポロ ルイカ「海の大きな橋」という意味。この作品は自分のルーツを探る過程で出会ったアイヌの神話を発想のきっかけにしているが、それをデッサン力に裏付けられた高い立体造形力や確かな吹きガラスの技術、文化人類学の教員から学んだモチーフの神話に対する深い理解を基に、現代性を感じさせるポップな構成でまとめあげている点が評価できる。また、他専攻の教員や学生からも積極的に学ぶ姿勢を持ち、本学で4年間学んだ知識と技術と情熱の集大成として作品を制作することができた点も評価する。</p>
<p>彫刻1点</p>

    ABS秋田放送特別賞 

    「atuy poro ruyka」

    小林 利華 Kobayashi Rika
    (ものづくりデザイン専攻)

    タイトルはアトイ ポロ ルイカ「海の大きな橋」という意味。この作品は自分のルーツを探る過程で出会ったアイヌの神話を発想のきっかけにしているが、それをデッサン力に裏付けられた高い立体造形力や確かな吹きガラスの技術、文化人類学の教員から学んだモチーフの神話に対する深い理解を基に、現代性を感じさせるポップな構成でまとめあげている点が評価できる。また、他専攻の教員や学生からも積極的に学ぶ姿勢を持ち、本学で4年間学んだ知識と技術と情熱の集大成として作品を制作することができた点も評価する。

    彫刻1点

  • <p>AKT秋田テレビ特別賞 </p>
<p>「トリドリ」</p>
<p>細矢  艶子  Hosoya Tsuyako<br />
(ものづくりデザイン専攻)</p>
<p>日常の中にある人間の行動や物事のあり様、天候などを表現する畳語(同じ単語または語根を重ねて一語とした複合語)に着目し、伝統的な型染の技法によって制作された作品。それぞれ「ぽきぽき」「いそいそ」「ぷかぷか」「びゅうびゅう」「かちゃかちゃ」という5つの言葉を図案化している。これらの言葉の持つどことなくコミカルな印象が単純化されたかたちと独特の色彩によって表現されている。</p>
<p>タピストリー5点</p>

    AKT秋田テレビ特別賞 

    「トリドリ」

    細矢 艶子 Hosoya Tsuyako
    (ものづくりデザイン専攻)

    日常の中にある人間の行動や物事のあり様、天候などを表現する畳語(同じ単語または語根を重ねて一語とした複合語)に着目し、伝統的な型染の技法によって制作された作品。それぞれ「ぽきぽき」「いそいそ」「ぷかぷか」「びゅうびゅう」「かちゃかちゃ」という5つの言葉を図案化している。これらの言葉の持つどことなくコミカルな印象が単純化されたかたちと独特の色彩によって表現されている。

    タピストリー5点

  • <p>AAB秋田朝日放送特別賞 </p>
<p>「漆塗少女フィギュアトリロジー」</p>
<p>菊地  百恵 Kikuchi Momoe<br />
(ものづくりデザイン専攻)</p>
<p>漆の加飾技法である螺鈿(らでん)や蒔絵(まきえ)を用い、フィギュア本体から制作している。少女の持つ愛らしさと、漆の艶が見せる艶かしさが一体となり、独創性あふれる作品となっている。螺鈿の輝きが、現代の愛玩品であるフィギュアに象徴性と神秘性を醸し出している。</p>
<p>漆塗りフィギュア3点</p>

    AAB秋田朝日放送特別賞 

    「漆塗少女フィギュアトリロジー」

    菊地 百恵 Kikuchi Momoe
    (ものづくりデザイン専攻)

    漆の加飾技法である螺鈿(らでん)や蒔絵(まきえ)を用い、フィギュア本体から制作している。少女の持つ愛らしさと、漆の艶が見せる艶かしさが一体となり、独創性あふれる作品となっている。螺鈿の輝きが、現代の愛玩品であるフィギュアに象徴性と神秘性を醸し出している。

    漆塗りフィギュア3点

  • <p>CNA秋田ケーブルテレビ特別賞 </p>
<p>「理想郷」</p>
<p>安藤 妃奈子 Ando Hinako<br />
(ビジュアルアーツ専攻)</p>
<p>作品、空間と鑑賞者相互の関係により創られる作品。10名程度が入ることが可能な大きな二重の円形の炬燵に鑑賞者が参加することで新たな相互世界が形成され、参加する人それぞれが持つ背景や個性を超えて、この作品上で生まれる関係、理解、違和感、親和性など新たな体験としての作品世界が現れる。作者は一貫して場、空間、関係性を取り入れた作品を制作、集大成とも言える作品。</p>
<p>インスタレーション作品</p>

    CNA秋田ケーブルテレビ特別賞 

    「理想郷」

    安藤 妃奈子 Ando Hinako
    (ビジュアルアーツ専攻)

    作品、空間と鑑賞者相互の関係により創られる作品。10名程度が入ることが可能な大きな二重の円形の炬燵に鑑賞者が参加することで新たな相互世界が形成され、参加する人それぞれが持つ背景や個性を超えて、この作品上で生まれる関係、理解、違和感、親和性など新たな体験としての作品世界が現れる。作者は一貫して場、空間、関係性を取り入れた作品を制作、集大成とも言える作品。

    インスタレーション作品

  • <p>あきびネット特別賞 </p>
<p>「壁面動物園」</p>
<p>片倉 朱梨 Katakura Akari<br />
(ものづくりデザイン専攻)</p>
<p>大森山動物園の動物を基に、和彫(わぼり)で表現された煌めきは、制作を重ねるごとに上達していき、滑らかさと輝きを増している。そこには若者のみずみずしい成長の時間が刻まれている。この作品は西洋絵画の表現とは異なる、日本の装飾文化である彫金を学び、生活空間に「技が育まれる時間」と言う新たな装飾価値を提示する試みである。</p>
<p>和彫りたがねによる彫金真鍮製壁掛け7点</p>

    あきびネット特別賞 

    「壁面動物園」

    片倉 朱梨 Katakura Akari
    (ものづくりデザイン専攻)

    大森山動物園の動物を基に、和彫(わぼり)で表現された煌めきは、制作を重ねるごとに上達していき、滑らかさと輝きを増している。そこには若者のみずみずしい成長の時間が刻まれている。この作品は西洋絵画の表現とは異なる、日本の装飾文化である彫金を学び、生活空間に「技が育まれる時間」と言う新たな装飾価値を提示する試みである。

    和彫りたがねによる彫金真鍮製壁掛け7点