本学博士課程に在籍する藤川史人さんの作品「スーパ・ライメ」(2020年/103分)が東京ドキュメンタリー映画祭2021に選出されました。


藤川さんの作品は、12月13日(月)14:00-新宿K’s Cinameにて上映されます

「スーパ・ライメ」
上映時間103分
南米ペルーのアンデス高地で牧畜を営むスーパ・ライメ一家。親子6人、リャマとアルパカ200頭、羊15頭、ニワトリ5羽、馬とロバ。ある日、一家はふもとの村に移住することになるが…。PFFなどで高く評価される藤川監督が、およそ一年半にわたって遊牧民の営みを記録。美しいロングテイクが観る者を南米の時空へいざなう。
2020年/103分

人類学Ⅰ スーパ・ライメ


「スーパ・ライメ」 上映時間103分


藤川監督のことば
一つの土地に長期で滞在し、そこで生きる人々と映画を作りたいという思いから 2016 年にペルーに渡 り、ペルーとボリビアのアンデス地域をまわりながら最終的に出会ったのがスーパ・ライメ一家でした。リャマやアルパカを飼養し牧畜を営む彼らは、標高 4700 メートルのアンデス高地では何もできない私に色々なことを教えてくれ、そしてともに過ごしてくれました。そんな一家は 2018 年の 3 月に住み慣れた高地から標高 2600 メートルほどの農村へ移住することになります。本作はそんな彼らの日常を撮らせてもらったものです。


藤川史人

1985 年広島生まれ。 特定の土地に一定期間暮らし、そこで生きる人々と映画制作を行ってきた。 監督作に『過日来』(2012 年)、『いさなとり』(2015 年 PFF2015 観客賞・日本映画ペンクラブ賞、 バンクーバー国際映画祭招待上映、リマ・インディペンデント国際映画祭グランプリなど)、本作『スーパ・ライメ』(2020 年 リマ・アルテルナ国際映画祭国内部門グランプリ、パチャママ国際映画祭コンペ部門入賞など)、『ひかりのどけき』(2021 年)など。ほか、短編映画の制作や慶応義塾大学アート・センターとの共作などを行う。


東京ドキュメンタリー映画祭2021(第4回)
2021年12月11日(土)~17日(金)東京都 K’s cinema

東京ドキュメンタリー映画祭2021Webサイト


長編コンペティション(10作品)

「Yokosuka 1953」監督:木川剛志
「ベイウォーク」監督:粂田剛
「再びおかえり」監督:マルコス・ヨシ
「クナシリ」監督:ウラジーミル・コズロフ
「大鹿村から吹くパラム」監督:金明允(キム・ミョンユン)
「であること」監督:和田萌
「ヨナグニ」監督:A・ハムゼヒアン、V・モルタロッティ
「#まなざしのかたち」監督:澤崎賢一
「故郷とせっけん」監督:八島輝京
「2020年 東京。12人の役者たち」監督:松本動

短編コンペティション(10プログラム / 30作品)

●短編1 異文化で暮らす

「日本の中の小さな異国」監督:藏岡登志美
「彷徨」監督:岩崎祐
「ブラジル ノ ニッポン~ある家族の記録~」監督:若尾泰之

●短編2 いのちと医療従事者

「小さないのちと家族の時間~NICU面会制限の1年~」監督:笹谷有佳里、西原英典
「親のとなりが自分の居場所 ~小堀先生と親子の日々~」監督:下村幸子

●短編3 コロナ禍を生きる

「コロナとアーティスト」監督:鈴木智
「東京リトルネロ」監督:松井至、内山直樹、久保田徹

●短編4 身体パフォーマンス

「ウィークリエイト・スペイシーズ―リムリック」監督:ヘイケ・セルザー&アナ・ベーア
「4」監督:マリアナ・パラシオス
「UTURU」監督:今野裕一郎
「春の祭典」監督:梁鐘譽&アトム

●短編5 戦時下の異邦人

「日本で夢見た女性パイロット~朴敬元の生涯~」監督:李有斌
「秘話 ~『知覧』にある米兵慰霊碑~」監督:佐藤仁紀
「夜は隠す/Missing」監督:吉田真也

●短編6 かぞくのかたち

「あなたたち」監督:市川昂一郎
「トオイと正人」監督:小林紀晴

●短編7 それぞれの居場所

「町の夜行者」監督:陳鵬瑞(チン・ホウズイ)
「15,000:1 – タイタニック号模型のスクラッチビルド」監督:ダン・パークス
「オレやりたい!~ダウン症と生きる あっきーの挑戦」監督:福田みなみ
「本とオペラ ~消えていく人~」監督:若泉政人

●短編8 アート/ドキュメンタリー

「ラ・ブソル La Boussole」監督:七里圭
「食火」監督:ジョイス・ラム
「透明な私」監督:村岡由梨
「不在の存在」監督:山川智輝
「ワン・デイ」監督:ジン・ジャン
「30歳の旅At the Age of…」監督:ヨハン・ジャン

●短編9 アイヌとしてのアイデンティティ

「ポネオハウ―アイヌの私―」監督:広瀬久美子
「カムイ レンカイネ」監督:酒井直之

●短編10 クルドの歌声、インドの生地

「アイ・ウォーク」監督:小谷野五王
「地図になき、故郷からの声」監督:中島夏樹

●特別作品(2プログラム / 4作品)

●特別1 ハイスクール2021

「アーク&マヤ:All Mixed Up」監督:三浦アーク、江藤まや
「北園現代史 ~自由の裏に隠された衝撃の実態~」監督:中村眞大

●特別2 至極の美術工芸

「うちはの出来るまで」監督:宮本馨太郎
「むんじゅる笠-瀬底島の笠-」監督:城間あさみ

人類学・民俗映像部門 コンペティション(4プログラム / 7作品)

●人類学・民俗映像部門 コンペティション1

「スーパ・ライメ」監督:藤川史人

●人類学・民俗映像部門 コンペティション2

「銀鏡 SHIROMI」監督:赤阪友昭

●人類学・民俗映像部門 コンペティション3 エスニシティの現在

「アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペツコタン」監督:藤野知明
「風苗」監督:白井樹

●人類学・民俗映像部門 コンペティション4 祭祀のエクスタシー

「アシェンダ! エチオピア北部地域社会の女性のお祭り」監督:川瀬慈
「神授の花 – フェルガナの女性とイスラーム」監督:I・メリコズィエフ
「スルンベ マダガスカル南西部の憑依儀礼」監督:飯田卓

特集作品(2プログラム / 6作品)

●特集 シャーマニズム1

「冥界婚」監督:北村皆雄

●特集 シャーマニズム2 憑依する精霊たち

「オロッコ・ギリヤークの生活」監督:宮本馨太郎
「呪術師の儀礼 タンザニア」監督:松永由佳
「神が宿る供物 ~ネパール・パタンのパンチャリ・ブザ祭り~」監督:山上亜紀
「憑依の宴 ジャワ島のジャティラン」監督:金子遊
「ドゥグ ガリフナの祖霊信仰」監督:冨田晃

●金子遊、佐藤寛朗(東京ドキュメンタリー映画祭 プログラムディレクター)コメント


4年目の映画祭は、昨年に引きつづきコロナ禍での開催ですが、応募数は過去最高の200本以上になりました。この困難な時代にドキュメンタリー作品を撮るつくり手をサポートするべく、過去最高の60本弱を一挙にスクリーン上映します。上映作品には、コロナ禍の芸術家たち、医療従事者、国境の島々、外国人移民、性的マイノリティなど、この社会の多様性を反映したカラフルな人びとが登場。新設の「人類学・民俗映像部門」には40本を超える応募があり、コンペの受賞作に民俗映像の先駆者の名を冠した「宮本馨太郎賞」が贈られます。