本学博士課程・呉芸舟さんが製本ワークショップ「本棚にしまわない本に向けて」を開催します。


ワークショップについて
 書店で本を眺めている時、本棚を整理している時、本を読んでいる時、あるいは本を作っている時、一瞬でも「本とは何か」と疑問を抱いたことはありませんか。
 一般的には、本は知識や情報を伝えるための媒体として定義されています。この定義に基づき、大量生産のニーズ、視覚伝達のニーズ、持ち運びや収納のしやすさといった要請によって、本は私たちが知る「普通の本」として形作られてきました。
 しかし、意匠を凝らした本を手に取ると、どこか異質な感覚を覚えることがあります。ページをめくる際の手触りやデザインの細部から感じられる工夫によって、心を揺さぶられる感覚。それは私たちが、一般的な定義から生まれた「効率性」に対して、「本」という概念そのものへの問いかけに共鳴するからではないでしょうか。
 多くの製本ワークショップでは、本の定義は大量生産で作られる本と変わりません。しかし、手作りの本は、工場で作られる本より、ずっと自由です。それは単に素材やデザインの角度からではなく、もっと根本的なところから、つまり「本」についての定義から発する自由があるからです。
 このワークショップでは、製本の練習をしたうえで、文字通りに「本棚にしまわない本」作りを目指します。
 本の形態や目的に興味を持つ方、自分だけの特別な一冊を作りたい方、既存の本の在り方に疑問を感じたことがある方。ぜひこのワークショップで、本が持つ可能性を一緒に探求し、あなたの感性を形にしてみませんか。


ワークショップの流れ
第一回 「本棚にある本について」
日時:12月7日(土) 10:00 - 12:00 13:30 - 16:00
場所:秋田公立美術大学大学院棟1階・G1S
◼書物についての説明 30分
 内容:一般的な本を見ながら、本の歴史・構造などについて簡単に紹介します。
▲本棚にしまわない本を創造するための原稿を描く・交流会 1時間
⚫︎糸綴じなど練習 13:30 - 16:00
 ※随時入退場OKです。

第二回 「紙&のり&インク」
日時:12月14日(土) 10:00 - 12:00 13:30 - 16:00
場所:秋田公立美術大学大学院棟1階・G1S奥側
■紙についての説明 30分
 内容:紙の見本帳を見ながら、紙とインクについて紹介します。
◼アートブックの紹介 
▲材料を買いに行く
 ※二回目だけ参加する方は、紙店でお気に入りの紙を購入してください(自費)。
  「アートブックの紹介」と「材料を買いに行く」は同時進行です。
⚫︎表紙作り練習 14:30 - 16:00まで
 ※随時入退場OKです。 ※材料持参。

第三回 「本棚にしまわない本」
日時:12月21日(土) 10:00 - 12:00 13:30 - 16:00 
場所:秋田公立美術大学大学院棟1階・G1S奥側
⚫︎本棚にしまわない本を完成させる
▲交流会・ふりかえり 30分
 ※自由参加。 ※材料持参。


申し込み
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申し込み期間
第一回  12月6日まで
第二回  12月13日まで
第三回  12月20日まで

アクセス
〒010-1632 秋田県秋田市新屋大川町12-3
JR「秋田駅」→羽越本線「新屋駅」下車 新屋駅から徒歩15分
JR「秋田駅」→秋田中央交通バス新屋線「美術大学前」下車 徒歩1分

問合せ先
s249001[A]akibi.ac.jp ([A]をアットマークに変えてください)
呉芸舟(ゴ ゲイシュウ) 秋田公立美術大学大学院 博士課程1年