1月24日に秋田公立美術大学にてシンポジウム「人形道祖神と鹿島行事」を開催いたします。


 東日本各地には集落に疫病が入ってこないよう、ショウキサマ、ニンギョウサマ、カシマサマなどと呼ばれるワラや木で作られた人形の神様を村境や神社に祭る風習が見られます。民俗学者の神野善治氏によって「人形道祖神」という名称で分類されたこの民間信仰は、全国でも秋田県に最も多く分布し、人形の頭部だけのものを含めると、現在県内150カ所以上で確認できます。これとは別に、家内安全や五穀豊穣などを願い、カシマニンギョウと呼ばれる人形を舟に乗せて川や海へ流す「鹿島流し」も秋田県内各地で行われております。毎年6月に開催される秋田市新屋の「鹿嶋祭」は県下最大の鹿島流しです。秋田県に古くから伝わる多彩な人形の民俗行事。その過去、現在、未来について語り合います。


概要
日時:2025年1月24日(金)14:30~17:00
場所:秋田公立美術大学大講義室(講義棟A2階)
登壇者:神野善治、高橋伸、小松和彦
入場無料・学外の方は要予約
※本学学生・教職員は参加自由。学外者で参加ご希望の方はこちらからお申し込みください。
※本シンポジウムは2025年1月24日から2月2日に開催される「複合芸術会議 2024 ガイド|ライン」内イベントです。複合芸術会議についてはこちらをご覧ください。

プログラム
1、基調講演「人形道祖神の発見」神野善治
2、研究発表「秋田県における人形立て行事と鹿島流しについての一考察」小松和彦
3、トークセッション「新屋と鹿嶋祭」高橋伸、神野善治、小松和彦


登壇者プロフィール
神野善治 (武蔵野美術大学名誉教授、日本民具学会会長)
1949年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒。博士(民俗学)。『人形道祖神-境界神の原像』(白水社、1996)で「第36回柳田賞」受賞。『木霊論-家・船・橋の民俗』(白水社、2000)、『くらしの造形手のかたち・手のちから』(武蔵野美術大学出版局、2019)など著書多数。

高橋伸 (新屋鹿嶋祭保存会理事)
秋田市生まれ。日本工学院卒。1969〜2004年、秋田テレビ勤務。現在、新屋・上表町内会長、新屋参画屋、NPO法人松林あらやの理事などを務める。

小松和彦 (郷土史研究家、秋田公立美術大学大学院博士課程)
1976年、秋田市生まれ。青山学院大学文学部卒。工芸ギャラリー「小松クラフトスペース」店主。花柳界や民間信仰を中心に秋田県の郷土史を研究。共著に
『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版、2016)、『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA、2021)など。秋田魁新報電子版で『新あきたよもやま』連載中