研究題目

学生各自の研究計画は、制作活動と理論研究を通して初期案で軸足としていた専門領域から様々な他領域へと越境し、社会実装の可能性を探る実践も重ねられながら新しい芸術の可能性の提示に向かい変容を続けます。非予定調和の研究活動を駆動するのは、複合芸術(Trans-disciplinary Arts)を指向する学生個人の冒険心であり、多様に異なる専門領域の教員・院生による自律的な学びの場です。
本研究科における研究題目は、このような「動的な研究活動」の成果であるのと同時に、大学院修了後に一人一人が臨む社会への挑戦のマニフェストとしても理解できるものです。


2024年修了


【修士課程】
⚪︎勝又 英
 木工による三つ編みから生まれる情景表現 —作品「みちすじ」の制作を通して—
⚪︎呉 芸舟
 縄文土器文様における視覚的呪術性に関する研究
 —呪術的視覚表現システムの試作について—
⚪︎佐藤 若奈
 見る経験そのものを見る装置の制作
⚪︎庄司 知生
 「生活者工房」の構想及び実践研究 —工芸によるコミュニティの構築—
⚪︎服部 正浩
 「生きる」彫刻 〜土と水による表現について〜
⚪︎村田 葵
 生きることで死にたくなることを、生きることでどうにかする
 若者の自殺の背景から考える、生きて表現することの可能性の追求
⚪︎山本 夏綺
 インスタレーションの演劇性 —自身の作品における身体性を手がかりに—
⚪︎李 鋭
 自分を認め、自分らしく在ることができる場をつくる「たきびっこ」の実践を通した
 「創造的な場」についての提案
⚪︎劉 軒慧
 呼吸している石 —人工物と自然の相互関係の表現—

【博士課程】
⚪︎宮本 一行
 音環境と協奏する芸術実践:聴取のための複合芸術研究


2023年修了


【修士課程】
⚪︎岩瀬 海
 多元化された性のための彫刻 —ドリス・サルセドの作品と比較において—
⚪︎易 前燚
 日本酒の文化イメージと役割の再考
 —日本酒をテーマにした新しい地域アートプロジェクトの提案—
⚪︎乙戸 将司
 身体とデバイスを用いた新たな対話のあり方 —公共の場での実験を通して—
⚪︎栗原 李佳
 精神と肉体の関係を探る写真表現
 —異なるメディアを取り入れた写真表現の可能性—
⚪︎坂口 聖英
 箱庭の発展的展開 —アート×ケアの視点より—
⚪︎櫻井 莉菜
 “わたしたちのアートマネジメント”に関する研究
 —インターセクショナル・フェミニズムをベースとした実践者の視点から—
⚪︎詹 智慧
 「走神」状態になる体験型空間の提案
⚪︎高橋 琴美
 現代の場所性の様相に関する研究
 —「のいり」プロジェクトでの実践を手がかりとして—
⚪︎三浦 紗希
 【御用聞きのサキ】プロジェクトの実践
 —学生主体による地域住民とのつながりの形成を目指して—
⚪︎金田 麻梨香
 排除への抵抗 —「ノイズ」を主題としたサウンド・インスタレーションの制作—


2022年修了


【修士課程】
⚪︎邱 天宇
 中国でのジェンダー教育の現状に基づく絵本デザイン
 —ジェンダーパラダイムの多元化をめぐって—
⚪︎周 金晶
 子どもたちが多文化共生について学ぶためのビジュアルデザイン
 —アイヌとホジェンを中心として—
⚪︎正保 千春
 漆と紙を用いた新しい漆器のデザインと加工法の開発
⚪︎竹浦 曽爾
 「黙の惑星」“ショット”を再考することによる新たな映画表現への思索
 —ペドロ・コスタの映画論を手がかりとして—
⚪︎谷口 茉優
 「地域に擬態する」アートプロジェクト
 —コミュニティ指向のアートプロジェクトがアートの役割と定義を拡張することに関する研究—
⚪︎並川 詩織
 食品添加物が切り拓く新たな表現領域の模索 —ファルマコンを手がかりとした制作実践—
⚪︎安村 卓士
 おもちゃ作品とプレイルーム —人間の存在にはたらきかける「あそび」空間の創出—
⚪︎劉 幸運
 螺鈿蒔絵と乾漆の複合研究 —乾漆造形と植物文様の構成と表現—


2021年修了


【修士課程】
⚪︎厳 嘉媛
 花による情緒の表現 —愛情の花を探す旅—
⚪︎周 思思
 アニメーションと絵巻物の新しい表現の提案 —「間(ま)」で荘子と遊ぶ—
⚪︎包 吉春
 自裕交楽市 —高齢者向け施設にインナーコミュニティを附設するデザイン—
⚪︎日比野 桃子
 個の身体から思考する —〈キウイ大学校〉の実践を通して—
⚪︎林 文洲
 人生のプロセスを〈区切る〉図像表現と人生観
 —「老いの坂」と「人生の階段図」を中心に—


2020年修了


【修士課程】
⚪︎小木曽 護
 “なりきり遊び”を拡張する作品の制作
⚪︎石井 美智
 紙の素材感や特性が導き出す視覚表現の可能性 —紙鳥による音の舞—
⚪︎大野 高輝
 ひとりの「事実」を探す作品制作
 —酒田市の戦後船乗りに焦点を当て行った取材記録と文献調査から—
⚪︎長内 祐子
 正と負の中間領域 —変わりゆく感情の表現—
⚪︎川崎 かなえ
 現代日本の女性の為の美青年像の追求 —オタク文化の視点から—
⚪︎求源
 異界から人間を覗く —妖怪から見た人間社会—
⚪︎魏 魯陽
 漢文化圏のためのビジュアルデザインとメカニックデザインによる世界観の表現
⚪︎中須賀 愛美
 忘れること、なくなること、そのゆくえについて —記憶に関わる現場プロジェクトの実践から—
⚪︎西川 知浪
 海浜分類図 ~漂着物から見る現代の海の世界~


2019年修了


【修士課程】
⚪︎佐々木 香里
 現代日本における性別の価値体系についての考察 —腐女子の視点から—
⚪︎須賀 亮平
 「凪の国」制作報告 —フィクションとノンフィクションにより止揚する風景—
⚪︎高橋 香澄
 秋田銀線細工の制作と発展 〜伝統工芸のこれからと未来を切り拓くための挑戦〜
⚪︎田中 絢子
 若者の生活に寄り添う工芸 —ライフスタイルからの提案—
⚪︎塚本 かな恵
 絵画制作における反復 —トラウマ表現について—
⚪︎蛭間 友里恵
 現代アートと他分野との間に立つ仲介者のあり方
 —地域型プロジェクトの現場調査から—
⚪︎藤本 悠里子
 展覧会の外にあるアーティストの創作活動の交差
 —アーティスト秋田滞在企画「SUMMER STATEMENT 2018」の実践から—