美術学部 美術学科ビジュアルアーツ専攻

分野横断を基本とした美術表現へ

ビジュアルアーツ専攻では、社会の中に新しい視点を持ち込むための美術表現の確立を目指します。 「新しい」とは見た目の新奇さではなく、物と物、人と人、事象と事象を結ぶ、 関係の捉え方を指しています。美術には、「彫刻」や「油画」「映像」「パフォーマンス」「インスタレーション」など、素材や技法、または表現形態によって分けられたカテゴリーがありますが、本専攻では一つのカテゴリーにとらわれず、他のカテゴリーや要素との融合を重ね、作品制作の方法を捉え直します。そして、それらの新しい表現を模索する学生の野心を、異なる専門から成る教員陣がサポートします。授業は、分野横断を基本とした共同指導のもとに行われ、学生それぞれが学んだ美術的な手法や考え方、その発想力を社会の中で生かし、自律して活躍・貢献する「表現者」の育成をめざします。

ビジュアルアーツ専攻

 

専門科目の紹介

3年

ビジュアルアーツ演習A
芸術表現の基本要素となる「時間」と「空間」という考えを深める。あっという間に過ぎ去る10秒も、皆さんがこれまで生きてきた10数年間も同じタイムライン上の時間である。同様に、巨大な建築空間も手のひらサイズの空間の集積だといえる。この演習は「長さ」や「大きさ」という尺度について考えるためのトレーニングでもある。自身の「気づき」を様々な素材や技法を通して表現にまとめ、自身の制作スタイルを形成していく。
ビジュアルアーツ演習B
美術を構成する幾つかの要素を取り出して考える演習。例えば「オリジナル」と「リメイク」という関係性を考えると、現在世界中で生み出される作品は、ほとんどが、先行する既存の作品に影響されているといえる。しかしその中には「盗作」といった非生産的な行為も紛れている。ここでは、先行する作品に学びながら創造的なオリジナルを制作する。本演習では、その他にもグループワークとして展覧会の企画・構成を考えながら制作し、最終的に展覧会全体を作り上げる演習などがある。
美術作品研究
美術批評の方法論を概説したうえで、展覧会を鑑賞する、課題図書を読む、課題映像を視聴する、といった体験を経て、自身の研究対象になる作品を設定し、その作品に対しての研究報告を行い、教員と学生が混同でディスカッションを行う。ゲスト講師によるレクチャーが挿入される場合もある。

4年

ビジュアルアーツ演習C
制作を進行させながら、作品を想像する原動力である自身と社会との関係をもう一度見つめ直す。プライベートに閉ざされているように見える生活が、どのように外部から影響を受け手いるのか?など、現代社会で起きている出来事と自身との関係を知ることで、制作の動機やテーマをより深く、強くしていく。
卒業研究
これまでの演習で学んだ内容を踏まえて、学生が自由に設定したテーマと相応しい手法によって、卒業制作としてまとめ上げる。それぞれの学生が、構想、調査、素材調達、制作、展示まで一連のプロセスを主体的に経験することで、卒業後の活動に活かせるようにする。

取得可能な資格

  • 中学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(工芸)
  • 博物館学芸員

卒業後の進路

新しい芸術表現を模索し発信し、現代の芸術領域の多元性を理解し、多様な価値を交換・共有する視点を持って作品制作ができるアーティストを育成します。また、美術に特化した専門職業以外のいわゆる一般職(公務員や一般企業の社員)においても、専攻で培った専門性をいかせるように支援します。
具体的には、多様な分野のアーティスト(絵画、立体、ポップアート、メディアアート等)、美術系教育研究職(大学等)、学芸員、美術の教員、ギャラリスト、アートおよび観光関連のイベント企画者などを輩出します。

主な進路実績

(一般企業等)
株式会社秋田魁新報社、有限会社石垣プロダクション、株式会社Mテック、株式会社KADOKAWA、株式会社sizebook、株式会社つむら工芸、株式会社デザインココ、株式会社東北新社、株式会社はせがわ、株式会社レナウン

(公務員、教員)
神栖市役所、千葉県教育委員会

(進学)
秋田公立美術大学大学院、京都市立芸術大学大学院、上越教育大学大学院、情報科学芸術大学院大学、東京藝術大学大学院、武蔵野美術大学大学院
※そのほか、作家活動等をしている卒業生もおります。

ビジュアルアーツ専攻教員紹介