秋美の未来対談(2017)
地域と繋がる学生
大谷先生(以下敬称略):今日は『秋美の未来対談」と題して、これからの秋田公立美術大学の在り方についてお話いただきたいと思います。よろしくお願いします!
岩井先生(以下敬称略):では、僕から最初にお話したいんですけど、今回まず最初に一つはファインアート系とかクラフト系の教員が意識改革をもっとしないといけないと思っていて。それは何故かというと、どうしても僕ら自己を深めるみたいな、そういう方向が優先されがちじゃないかと思うんです。自分たちの専門性を深めるのと同時に、社会の中で何を活かせるのかということを教員自身が自覚して、学生に伝えないといけないのではないかと。個々の教員が自覚はしていても、それが大学の教育として体系化されていないのが現状だと感じています。
山本先生(以下敬称略):もちろん教員において足りない部分はあると思うんですけど、自己の専門分野や内面だけを深めるタイプじゃない学生が、結構うちの大学は多いという感覚が私にはあります。具体的に言うと、就職活動になった時にうちの学生ってめちゃくちゃ評判がいいんです。特に地元企業の人達から。というのは、ちゃんとコミュニケーションが取れたり、基本的な人としての態度ができているという話が結構聞こえてくるんです。それはやっぱり教育の過程で、ただ物を創ればいいというだけじゃなくて、どの専攻も教員や学生の前で発表したりプレゼンしたりする機会が、多分他の美大より顕著に多いからなのだと思います。そういう意味では今までの美大で育ってきた学生とは違う質の学生が育ちつつあるなと思います。
安藤先生(以下敬称略):僕はそこの振幅が大事だと思っていて。うちの学校の場合は今の話の通りコミュニケーションが重要だという話になっているんですけど、工芸系を目指すような学生というのは、基本的にコミュニケーションをとりたくない人が多いんです。その代わりものすごく感受性が高くて、いろんな事に敏感なんです。それはどこから生まれてくるのかというと、すごい緻密な作業や入り込んだ部分にあって。この学校でものづくりデザイン専攻が出来た時に僕たちが何故同意したかというと、やはりそれだけでは社会でやっていけないというのがはっきりしていて、社会と繋がる部分というのを含めてプロダクトにも入ってもらったと思うんです。ただそのセンシティブな部分を全部切ってしまって良いのかというと、そうではないと思うんですよね。ですからすごく入り込む部分もありつつ、他の価値観もあるということを理解していれば、それこそが美術大学の感じる力もありコミュニケーションもできる人材ということになるのだろうと。
岸先生(以下敬称略):僕はまだ秋田に来て数ヶ月ですけど、卒業制作展は面白かったです。期待した以上というか内容的にも技術的にもしっかり作られている作品が多くて。すごく溌刺としているというか、良くも悪くも素朴なのかもしれないですね。擦れてないと言うか、したいことをしているという自信みたいな堂々とした部分を感じました。やっぱり中央からの距離感がすごく良くて、自分のリアクションのあり方もキャラ立てする必要がないというか、個々は個々で、自分はその都度目の前にあるものを楽しむという自然さを感じますよね。あと都市の大きさとして秋田の街のサイズ感は、歩いていると市街地のどこでも知ってる人に会うかもしれないっていう距離感で、会えば「おはよう」と言わなければならないということに対して自分の体が構えてなきゃいけないという点ですごく適正だなと。それを本当に忘れることができちゃったりするのが今の東京のサイズ感だったりして。いつも他者が近くにいるかもしれない中で暮らしているという意味では、秋田ぐらいのサイズが地方都市のサイズとしていいなと思うし、街がこの大きさであるから社会との繋がりっていうのが作り易いのかと。
今中先生(以下敬称略):そういう意味ではすごくメディアも近いし、今の時代、人間が生きるインフラは全部揃っているんだけど、それがこのコンパクトな中に揃っていて、学生が大体にして何かやるとすぐテレビ局や新聞社が取材に来て報道されたり、そのダイレクト感というのは逆に今東京では無いわけですよね。
大谷:きっかけがあるとね、それはたくさん転がってる気がしますよね。人口が少ないと言えば少ないし、若い人も学生もあまり関係なく前に押し出されて行くというか。学生が社会の中で活躍して、あれだけ取り挙げられるっていうのはなかなか都心だとないですよね。
今中:地方都市で同じ規模の大学を持っているところは沢山あるんだけれども、他の地方都市ってやっぱり良いも悪いも東京の影響下にあって。秋田は見事にそれが伝達されてない。というよりは、秋田の人って結構すごいプライドを持っていて、それをある程度意図的にシャットダウンしているような気がするんですよね。そういう意味で、僕も最初ここに来たときに、誰もまだ踏んでない土地があるというような感覚があって、ここは本当にゼロからできると思いました。
山本:大人や学外の人と学生が関わる場面は、むしろ東京なんかより多いんではないかと思います。都会の大学だと大学の規模も大きいから、近い連中だけで集まって何か面白いことやろうとしたらできちゃうんです。ここだとそれができないし、逆に大人と関わろうと思えば距離が近いところで関われちゃいますよね。
岩井:動いた分がきちんとカタチに見えるんですよね。これは受験生にとはとてもわかりにくい部分だけれども、他に比べてすごい優位性だね。
山本:大学を卒業して社会人になった時に、例えば就職活動だから学外の人に接する練習をしなければいけないっていうやり方って、ちょっとじ不自然なんです。例えばうちの大学みたいに地域の人とも関われる、あるいは学外の他の企業や団体の人とも関われる機会がその気になれば作れる環境だと、自然にその訓練が学生のうちにできるんです。それは卒業後のキャリアの作り方としては自然だし、優位性はあるなと思います。
今中:市民が美大をすごく大切にしていて、守ってくれている、見てくれている感がすごくありますね。
安藤:そうですね、ここは短大時代の基盤だけじゃなく、附属高等学院がもともと美術工芸専門学校で、長い歴史があるんです。地元との繋がりや役所などとの関係は、割と短大時代のうちに築かれていたところがあったので、四大になる時はスムーズだったのだろうと思います。
即興の地域と実感力
岩井:ということで、僕らはそういう歴史の上に常に前進しているわけですが。この春には大学院もできて、じゃあ大学院ではどういうプランで学生を引っ張って行きたいかっていう点で皆さんありますか?
岸:さっき仰っていた、アーティストとしての交渉能力・コミュニケーション能力を磨きたいっていうのはありますよね。今回多分多くの先生方が、大学院ではフィールドワークをそれぞれのやり方でやられる方が多いと思うんですけど、それが1番実践的に鍛えられる場になると思うんです。フィールドワークでその場所に行くと必ず僕らは部外者であって、必ずそこに即興の知恵って必要になるんです。多分普段から集積してきた知恵が役立つんです。そこで人に説明している時に、ああ自分はそういう風に考えてたんだ、これがしたかったんだっていう自分が発明されていく、開発されていくっていう事は大学院で積極的に試したいし、多分それは学生が自立して生きていく力になると思います。
今中:面白いですよね。フィールドワークの中で良いことが思いついたり、追い込まれて即興で対応しなきゃいけない時に初めてモヤモヤしだたものがそこで凄い集中力によって組み上がって出来上がったり。それがないとクリエイティブってやっていけないですしね。
山本:去年の夏の合宿で学生たちを五城目に連れて行ってフィールドワークをやらせたんですけど、五城目のどの場所に降りるのか、誰とコンビを組むのかも学生には全く何も知らせないまま、いろんな場所に学生を落としていくんですよ。僕らはこれを「ババヘラ方式」と呼んでいるんですけれども、最初結構心配してたんです。やり方が分からなくて何もしないで帰ってくるとか、コンビニでただ休んでる学生とかいるんじゃないかな……と。でも学生は思った以上の情報量をちゃんと地元の人とコミュニケーションとって持って帰って来るんですよね。そういうフリーダムな部分を与えてあげたら、学生はきちんと身に付けて育つんじゃないかなと思いますね。
岩井:今のババヘラ方式のフィールドワークもそうだし、即興から出たゲリラシンポジウムというものもあって。シンポジウムっていうのは普通講堂とかでやるけど、それを街中でいきなり始めちゃう。そういうことをやると即興的な力も養えるし、どんどん秋美オリジナルの動きとして発信できるなと思いますね。
今中:わたしは今年の卒展ですごく感じたことがあって。情報が集中しているような関東圏の美大の卒業制作と明らかに違うのは、やっぱり実感をすごく発信しているということで。実感力からちゃんと提案が出てきているリアリティがあるんですよ。東京の学生の作品展だと、情報を組み上げていくようなことだけで、実感からちょっと遠のいた感じがあって、それはそれで役割があるしクオリティは高いんですけれども、見た時にこの学生が本当に実感してこれを作ったんだな、考えたんなっていう泥臭さというか、そこが伝わってこないんです。そういう意味では、人口密度的にグローバルはこっちの秋田だし、ちゃんと学生が影響受けて実感した作品になっている。このことは秋田の美術教育にとってこれから1番の軸になるんじゃないかな。
山本:実感力ということで言うと、もしかしたら全体的には見た目の派手さはなかったかもしれないけれども、地道な努力の作品が多くて、その辺は本当に短大時代から培ってきた工芸系の先生方がいるものづくりの役割・存在感は卒展で顕著に見られたかと思います。
安藤:工芸系の僕自身の話をすれば20年住んでますけれども、秋田の知り合い1人もいませんからね(笑)。ほとんど毎日アトリエの自分の机の上の世界と、山に登って山の空気とか、自然から降りてくるんですよ、いろんなものが。それを形にするっていうことをずっとしてきて、ある意味ちょっとイタコみたいな(笑)。この学校は新しくなったところで、すごくメインの部分が人とのコミュニケーションとか、人に興味を持つとかですよね。まあ、コミュニケーションは人だけじゃないから、そういった意味ではここの地域の自然というのは素晴らしくて。東京とかああいうところは自然が切られているんですよね。新宿御苑にしたって、小石川植物園にしたって、全部島なんです。だけど秋田はグランドにある苔とか草とか、そういうものからそのまま奥羽山脈まで全部つながっているんですよ、自然がね。そういった意味で1つの大きな世界観を持つということができた。それは素晴らしいなと思ってます。
山本:文化人類学の石倉先生とかは常々言っていますけれども、得るべき情報って人間が作った、または人間が発信しているものだけではなくて、自然が出している情報だとか、自然と繋がることも、超人間なことで大切なことだと。それこそ安藤先生が自分をイタコって例えちゃいましたけど、それって結構東北的なんじゃないですか。
安藤:そうですね。本当に色々聞こえてくるんですよ声が。ここはカットしてくださいね(笑)。
山本:安藤先生がそこから受けたすごい膨大な人間以外の情報を、工芸の場合ってぎゅっと一つの作品に詰めむわけなんですよね。だからそれは確かにその作品があればその横で喋るプレゼンがそんなに上手じゃなかったとしても伝わっていくものであるはずなので、そういう学生も同時にうちの大学の中で育てていくのは大切だなと。
今中:本当に環境や立地のことで言うと、都市部、特に中央の都市部とかは人間が作り込んだ環境や立地の中からしか得るものがないけれども、人間じゃないところから得られる情報の量が圧倒的に多いと言うことが秋田の学生にベースとして影響している。そこは凄いメリットだと改めて実感できます。
安藤:今中先生は辛い時いつも空を見てるよね。
今中:そう、空を見て深呼吸する。科学的な話じゃなくて感覚的なものなんですけど、空気密度が東京とかより絶対高い気がするんです。こっちで深呼吸すると本当に体がすーっとなる。空の変化を見て深呼吸すると「あーやるか!」みたいになるんですよ。そういう環境がこの地の人間を作っていく。学生に関しては全国から来るから、ちょっとやんちゃな子も中にはいるじゃないですか。東京っぱいちょっとやんちゃな不良っぽく見せる子が秋田に来ると、ここではそれが全く意味をなさない。見事に3ヵ月ぐらいすると、真面目に取り組むのがかっこいい、みたいに変わっちゃうの。それってすごい力だなと思って。東北の人が真面目で、地道だというのは完全にこの土地が作った部分て。全国からここに来れば、みんなそういう子に自然となっていく。
大谷:本当にそうですね。嘘じゃないですね、それね。
山本:7~8割は県外からですけど、卒業生を見ていると別に秋田の子だけが秋田に就職してるわけではなくて、意外と4年間で秋田が好きになっちゃって、そのまま就職しちゃうタイプの県外の子も出てきてますよね。
今中:結構知りあいのアーティストやデザイナーなんかも相当秋田の地に注目しているところがあって、期待値が高い。何をやらかすんだろう、何かのムーブメントを作ろうとしているのかって言う期待をしている感がありますよね。
大谷:やっぱり魅力としては多様性ですよね。
岸:卒業制作を見て一つ特徴的だなと思ったのが、カテゴライズできない作品が結構あるんです。例えば刺し子にしても、津波で流されたところの補粋にしても、関心が工芸的なものではありつつも、変えていきたいと思っている対象が社会だったり、社会的状況だったりと考えると、これはどの分野にハマるのか分からないんです。分ける必要もないとは思うのですが、とにかくそこが良かったですね。
岩井:それは現段階での、この大学の成果ですね。
辺境芸術宣言
山本:秋美は、今年から大学院も出来て、まだまだ学生がつくっていける余地がある大学なんですよね。うちって下手したら1人の学生の影響で大学全体の方向性がそっちにちょっと寄っちゃうこともあり得る大学で。そういうやる気というか、自分で何かわからないんだけれども、何か創ってみたいみたいなエネルギーのある学生が今後も来てくれるのが1番うちの大学にとっては大切かなと思います。岩井これから歴史を作れる大学なんですよね。
安藤:何でもいいですよ、とりあえずこの大学に来てくれれば。まず大学側が教えることに熱心であることはすごくいいことなんですけど、教えるのと育てるってちょっと違うことで。その辺のことを混同しないで、きっかけを与えるということが非常に大事だと思うんです。それがうっかりすると教えるためにカリキュラムを組むんですよね。そうするともう学生が身動きが取れなくなってしまって……。その辺のことがこれからの課題かなと思いますね。
今中:今の時代って、何でも調べたら何でも分かるようになっていて、そういう意味では学校のカリキュラムから理念から各大学が細かく各全部書いているわけですよね。今、ブランドでモノを買う時代ではないじゃないですか。大学のシステムもブランドで買うものじゃなくなっているわけだから、ちゃんと秋美のような大学が何を大事にしようとしているのか、今日話したようなことや今の時代の魅力みたいなものがちゃんと伝わって、それを読みこんだ学生がここを選んで来て欲しいなと思いますね。
岩井:ちょっと前までは美術部にいて、絵が上手な子が入ってきていたという状況だったけど、今は体育会系とか違う分野をやってて興味があった子でも、一回転させれば全然美術に通用するっていう、そういう可能性をもてもっと広く学生にアプローチすべきかなと思います。
安藤:要するにモチベーションがあるかどうかということで、後はセンスの問題。造形センスっていうだけじゃなくて、何かを創り出すセンスですよね。それが例えば文章であったり、あるいは行動であったり、パフォーマンスであったり、そういうことも含めて考えていくと、ただ絵を描ければ良いというわけではないので。体育会系でも全然いいと思いますしね。先程「何でもいいです」って言ったのはそういう意味で、何か世の中を作るモチベーションがあれば、きっとそれでいいと思うんです。もう時代としてはそういう時代であると思います。
山本:入学してくる時も、卒業していく時もいろんなタイプの学生がいたらいいなと思いますね。アーティストとかデザイナーとか建築家も、もちろん出てほしいんですけど、それ以外の分野でちゃんとクリエイティブな能力を発揮して活躍してくれる人材が出るとうちの大学らしいかなと思いますね。好きなことを続けるために、どうサバイブしていくかですよね。
岩井:それは就職の基本だよね。アートな八百屋さんとかいてもいいわけだし。就職しながらアーティストを続けたり、アーティストとして在るための体制をどう作るか。
岸:そのために就職するというようないろんな汎用性の高い生き方を教える機能もこの大学には必要なわけだし。既存の就職先って言うものに参加していくことが本当にベターなのか、何かアーティストそのものがユニオンを作っていくじゃないけども、何か在り方そのものも考えなきゃいけないと思います。
山本:教員側も新しい大学の在り方であるとか、新しいキャリアの考え方ってこういうことだというのを常に研究し続ければ、学生にとっても教員にとっても相乗効果があって良いなと思います。
岩井:僕は本当に反省しているんだけれども、僕自信はファインアート系の考え方で、アーティストを育成したい気持ちでここに来たんですが、自分で見ている学生でも、ちゃんと就職させるっていう選択肢もあって、学生がそれを求めてきた時に、ちゃんとそれに対応できる知識とか判断力が自分にもないといけないなと。僕だけでなく大学の先生達みんなにこの空気は広げたいと思っています。
山本:ちゃんとやっていけるアーティストを育てるにしても、大学4年間ではなかなか育たないので、例えば10年後に活躍しているアーティストを育てようという意識を持てるか否か。卒業した後の10年間どう過ごしたらいいアーティストになれるんだよっていうのを4年間の中でちゃんと教えないといけないのかなと思いますね。ただ4年教えて卒業したら勝手にやってくれって言うことではなくてね。もちろん将来活躍できるデザイナー、クリエイターを育てることも同じでね。
今中:学生の進路についてもそうだけれども、絶えず発展できるというか、常にアップデートをしていける大学の仕組みまでを考えていかないと。多分今凄い大変な時期だけど、いろんなチャレンジができて面白い時期でもあると思うんです。もうちょっと安定的にチャレンジできる時期が来て、その上で自分たちも絶
えずアップデートして研究して取り組んでいくことを止めてはいけませんね。
安藤:学校の仕組みについて、一つはまずアップデートってこともあるんですけど、もう一つは苔が生えるまで待つっていうのも大事だと思います。いつも置き換えたりしているっていうわけではなくて、一つの大きな根付いたものをまず作って、部分的にいつも変えていく努力をするというのはすごく大事な気がします。学校というのは10年、20年のスパンで動くものなので、動かしちゃいけない部分は根付くまではちゃんと見守っておかなきゃいけない。
山本:まさにそれはアーツ&ルーツの思想ですよね。根っこはあるんだけれども若い芽は常に出るという、植物のようなアップデートをしていけばいいんですよね。うちの大学一つで見ると、そういうベースは守りながら常に変えていける部分をアップデートしていくっていう方向性でいいと思うんですけど、もう一つは秋田の土地にある美大っていうところが重要で、常にカウンターパンチ、カウンターカルチャーの位置にいるわけじゃないですか。例えば東京藝大学とか京都芸大みたいなところと同じような歴史の積み重ね方をしたって意味は無いので、そことは全然違う特色を出していきつつ歴史を積み重ねて行けたら、いい意味で変な歴史のある、変なうちらしい大学になると思いますね。
岩井:今ちょっと言おうとしている辺境芸術宣言もそれなんですよね。中央と繋がるよりも、こういうポジションにいると違った場所と繋がりやすかったりするしね。世界や国際交流も。意外にこういった方がエキサイティングかもしれない。本当に独自の展開をしたいし、してゆきましょうよ!
大谷:そうですね!今日はありがとうございました。
(完)
取材=澁谷和之(平成29年度秋田公立美術大学特任准教授)
写真=船橋陽馬(根子写真館)