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プレゼンテーション

島 崇

 

演劇の企画に携わる島崇さんは、一足早く当プロジェクトを離れることになっていたため、214日午前に「リーディング・パフォーマンス」形式のプレゼンテーションを行った。

 

 

前半は、パブロ・ピカソの戯曲「しっぽをつかまれた欲望」について紹介した。ピカソが戯曲を書いたのは1941年、ナチス占領下のパリ。初演は、アパルトマンの一室にレジスタンスの文化人らが集まり、朗読形式で密やかに行われたという。島さんは「みんなでこの都市における『しっぽをつかまれた欲望』を紡(つむ)ぎたい」と話し、閉ざされた場所で戯曲を読んだピカソたちの状況を「五城目町に逗留する自分たちの姿」に重ねた。そして受講者を交え、戯曲の一節を順番に朗読した。

 

 

後半は、「旅する地域考編~冬籠りの声を聞く~」と題したリーディング・パフォーマンス。始めに、島さんは受講者全員に対し、スマートフォンを使い匿名のチャットルームへのアクセスを促した。戯曲の役名でログインした受講者は「惑星にやって来た調査員」、場面は「原因不明で滅んだ惑星」との設定。受講者たちは室内に散らばり、4つの質問を受けて、風景描写や感情、言葉を自由に入力した。チャットに打ちこまれたテキストを一つの戯曲として完成させた。島さんの作品は、他者を巻き込み、補完することででき上がった。最後は全員が立ち上がり、順番にチャットのテキストを朗読した。