旅する地域考archive

秋田で秋田と想ったこと

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夏編 旅の足跡

「自分の旅を企画し、旅する」 個人リサーチ

 

キュンチョメ

 

8/8 中間発表 #1

秋田県の「自殺率全国第1位」について調べている。「県民性として非常にまじめ」だと聞き、ここまで見聞きしたものが色々とつながってきた。

自殺率が全国で1位。小学校の学力も全国で1位。そして「なまはげ」は、山から人々を監視し、女・子どもをなまけず働くよう縛り、年に一度、山から下りて暴れてまた帰っていく。

自殺率と生真面目であること、これらはアイデンティティーとしてつながっているのかもしれない。また、これは秋田のみに限らず、日本が持っているものなのかもしれない。

なまはげには「神様だから仕方がない」「伝統だから受け継ごう」と思われている部分がある。

しかし、私達は、神も信仰も暴力的だと思っている。なまはげのほか、神という存在をなくしたいと考えので、個別リサーチでは、「神殺し」を大枠のテーマにいろんな場所を訪れたい。

 

1信仰にまつわる場所

東北に来て「信仰には恐怖がつきまとう」ということを感じた。自然が圧倒的に強いため、勝てない存在として神を置いている。東北地方には、恐怖で何かを縛るということが根付いているのではないか。

 

2)人に信じられている信仰の場所に対し、人が信仰を捨てた場所

炭鉱跡地がたくさんあり、遺跡のようになっている廃村などに行きたい。「エネルギー」という人間の信仰が変わることにより打ち捨てられた場所。終わりつつある場所だからこそ、終わったものがたくさんあるだろう。

 

当アートプロジェクトに参加する中で、「どう終わらせるか」は重要な問題。地域アートや地域おこしは延命のことばかりを考えている。

日本人は終わらせ方がわからないのではないかと思う。第二次世界大戦、原発、そして、伝統もどう終わらせていいのか分からなかった。その延長線上に、秋田県の問題もあるのではないか。終わりのダイナミズムを考えていきたい。

 

8/15 中間発表 #2

個別リサーチを終えて、「殺す」「死」ということにフォーカスした。東京では隠されている死の気配や、負の歴史がいたる所で感じられた。霊山+温泉、鉱山、原発、宗教がリンクしつつ地中で死んでいるという状況は「穴」にたどり着くと考えた。6日間の旅で「死」を浴び続けている間、反対側で見えていたのは「空」だった。

 

・死んでいる場所

鉱山、原発(死のエネルギー)、核燃料リサイクルセンター、自衛隊基地、恐山

 

・原発PRセンター

「原発は星のエネルギー」宇宙人に原発のちからを伝えよう!というメッセージ。

 

・温泉

ラジウム温泉には、低用量の放射線を浴びる行為/過激ではない死がたくさんある。がん患者の湯治場。

 

・飛べない鳥の羽で、飛ぶ鳥を落としたい

絶滅する前に飛べる鳥=空を落とす

 

・稲作のナショナリズム

昔からあるという惰性で作る田んぼ/おもちゃの猛禽類が、滅びゆくこの地の田んぼを守っている。

 

・隠れキリシタンの洞窟

暗いところから出てきて空を見る。遠くまで飛べない/待つ/染み込んだ場所なのかもしれない。

 

・出端(では)

天皇に鷹の羽を献上する場所。