旅する地域考archive

秋田で秋田と想ったこと

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#橋本佐枝子

夏編 旅の足跡

「自分の旅を企画し、旅する」 個別リサーチ

 

橋本 佐枝子

 

● 8/8 中間発表 #1

これまで、今、これからについて

 

今の関心は、マタギと物語。心理学のシーンからアートを見ること。そしてアートの視点からも心理学をみるというのが、アイディアの中にある。

心理士としての仕事では、全ての時間をクライアントに費やす。制作の時間は反対に、自分だけの時間。

でもそれはここ数日、とても曖昧だと思っている。 

 

 

 

最近の作品について

 

小さい頃の記憶があまりない。外から見た現実では、問題ないように見えても、心的現実や個の物語では辛さがある。覚えていない部分の「本当の自分に会いたい」ということが今の制作における関心だ。

写真の中に写る自分は、大体ぬいぐるみを抱えている。物語を作るのも好きだった。何を意味していたのか。それらをつなげ、自分にとっての意味を見出すために制作を続けている。

自分のために作っていた作品が、子どもたちの持つ大人や社会への怒りにも重なる部分があることに改めて気が付いた。代弁者になるつもりはないが、小さい頃の自分と今を生きる子どもたちが一緒になって起こそうとしていることもある。大人への怒り、子どもとしての生きる強さから、制作のエネルギーが生まれてくることもある。

被害者として訴えたいわけではないが、それを子ども時代に切り捨ててきたのは自分だ。同時に、今の社会でも子どもに対しては、大人として切り捨てているような面もあるだろうという罪悪感がある。

ぬいぐるみは、心理学的に移行対象の存在だと言われている。中間領域という考えが自身の制作の中にある。

 

 

民俗学を学びたいと直感的に思った。妖怪や道祖神といった存在に会おうと思って秋田まで来た。

ぬいぐるみの素材への執着があり、毛皮をもっと知りたくなったので、家で皮なめしをしてみた。東京での非日常や、人間としての自分を超えた何かを感覚として得る安心感があった。他者の離れた死と向き合うことで自分の生の実感を得る。しかし、ありすぎると偏ってしまう。今は、マタギのことをもっと知りたい。

昨日、ストーリーテリングについて発見があった。公開できずに自分の中でため込んでいる話や、守秘義務的に抱えている話を出せなかったが、アートの力でそれを再構成できるのではと考えている。

 

 

 

8/15 中間発表 #2

 

個別リサーチでは、8月9日から12日までは仕事のため1回東京に帰った。8月13日の朝一番の飛行機で秋田に来て、秋田駅から角館に向かった。角館からは、鷹巣までを結ぶ秋田内陸縦貫鉄道に乗って2日間の旅をした。ここに住んでもいいと思えるぐらいの素晴らしい景色を眺めることができ、観光客を温かく受け入れてくれる電車だった。田んぼでは、農家の人たちが電車に向かって手を振ってくれた。