旅する地域考archive

秋田で秋田と想ったこと

旅する地域考archive

#レポート

#中須賀愛美

夏編 旅の足跡

「自分の旅を企画し、旅する」 個別リサーチ

 

中須賀 愛美

 

8/8 中間発表 #1

 

プロジェクトの中で、何度も広島につなげて考えていることに気がついたので、個別リサーチでは広島に帰ろうと思っている。

広島市民にとって、原爆は教育の中で植え付けられている。これは秋田の「なまはげ」にも似ていると思う。

なまはげには「ヒバクシャ」と同化している部分がある。広島には「幽霊」がたくさんいて、そこには生きている人も含まれる。また、原爆については、正直に語ることがタブー視されていることもある。

自分はこれまで広島とまっすぐ向き合うことができていなかったが、秋田というフィルターを通すことで、実現できるかもしれないと思った。

広島では、なまはげをやってみたい。なまはげが予定調和な行事であることを取り入れ、普通の人が神の格好をする。あまりシリアスではない形式で、広島の平和公園でやってみたらどうなるだろうか。

 

 

 

 

8/15 中間発表 #2

実は、広島の帰りに立ち寄った東京で、講師をつとめたモニラ・アルカディリさんとラエド・ヤシンさんにばったり会い、靖国神社の博物館を3人で見に行った。広島の平和記念資料館にあるようなものも陳列されているが、ここでは全く正反対の文脈で語られていた。靖国神社では、「ここはどこなんだろう?」「感心しながら展示資料を見ているツアー客は、誰なんだろう?」という不安な気持ちになった。ここにはたくさんの日本人がいたが、モニラ、ラエドと3人で乗った帰りがけの狭いエレベーターが、初めて安堵できる空間だった。この出来事は、何かにつながりそうな感じがある。

 

「きんさい広島プラザ絵画コンクール」というプランを提案した理由に、広島県には原爆ドームを描く会があり、私自身も子どもの頃から何度もドームを描いてきた経緯がある。違う目線で原爆ドームを見直した時に、絵を描いてみたいという気持ちになったので、絵画コンクールの展示という形式を考えた。

秋田県内にも産業奨励会館があると聞いた。ヒロシマで断絶した時間が、意外にも秋田でつながるかもしれないと考えている。