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秋田で秋田と想ったこと

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プレゼンテーション

尾崎 藍

「料理の支度をする」

<主にドローイング及び、個人の旅の記録を朗読する形で発表> 

 

 

今回の旅では、「はんごろし」という言葉をキーワードにした。

はんごろしとは、秋田の郷土料理の「きりたんぽ」を作るときに使われる言葉で、半分すり潰して半分米粒が残っている状態。半分生きていて、半分死んでいる状態といえるようなこの状態は発酵にも近いと言える。発酵は腐敗と同じで、その区別は人によっていいか悪いかが違う。草食動物の一部は、一度胃に送った食物をまた口に戻して咀嚼(そしゃく)し、また飲み込んで反芻(はんすう)するという消化・吸収を行なうが、これも体内で発酵が行われている。 

何度も同じことについて考えを巡らせるときに使う「反芻する」という言葉もここから来ている。

動物と人の関わり、土地と人の関わりを、旅を反芻させながら今後につないでいくためにテキストとドローイングをまとめた。

発酵するまでには、時間がかかる。自分のプランを発酵させていい状態までもっていくには、ここではまだ時間が足りなかったと感じている。

 

当プロジェクト終了後、尾崎さんは、作品制作を継続。最終プレゼンテーションの「料理を支度する」を「Human Cooking」に昇華させ、「群馬青年ビエンナーレ」に出展した。

(群馬県立近代美術館、201922日~324日)