リサーチノート 05
「旅する地域考 辺境を掘る夏編」の実施に向けて、旅考の運営メンバーは、次の旅先となる鹿角市と小坂町を事前に訪れ、リサーチを続けています。さて、この夏は、どんな場所にみなさんをお連れするのか。どんな体験ができるのか。現地で見つけたことや、感じたことを少しずつご紹介していきます。
むき出しの地球
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つい先日も地震があった。地球の中心にはマグマがあり、プレートが常に動き続けている。地球は生きていると知ってはいる。でも、それを体験する機会はめったにない。
八幡平にある後生掛(ごしょうがけ)自然研究路に立ち入ると、むき出しの地球の胎動を感じる。立ち上る湯気、溢れ出る温泉、そして、噴火のように穴から飛び出る灰色の泥。大地のあちこちに潜む穴は心臓の鼓動のように音を立て、ときに泥を吹き出す。きれいに舗装された道なのに、立入禁止の看板が立っている。奥を見ると、道の横にあらたな噴気孔ができていた。地球の素顔を見た気がした。
文・写真/柳澤龍(ファシリテーター)