リサーチノート 06
「旅する地域考 辺境を掘る夏編」の実施に向けて、旅考の運営メンバーは、次の旅先となる鹿角市と小坂町を事前に訪れ、リサーチを続けています。さて、この夏は、どんな場所にみなさんをお連れするのか。どんな体験ができるのか。現地で見つけたことや、感じたことを少しずつご紹介していきます。
重なりあう場所
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玉川温泉は、今回の旅考のエリアから少し外れる仙北市に位置する。しかし、湯治文化に少しでも触れようとするならば、この地を外すわけにはいかない。全国各地からここに人々が集まる理由は、それが単なる秘湯ではなく、疾病の治療効果を求めてのこと。そこには神聖な巡礼地にも似た、祈りの場としての磁場を感じる。強酸性の源泉が湧き出る流れは、草花や生物の生を許さず、しかし湯治者に生の希望をもたらす。なんというリアル!これが摂理というものなのか。
文・写真/岩井成昭(プロジェクト統括)