夏編レポート DAY5
2019.8.5
ついに始まった「旅する地域考 辺境を掘る夏編」。現場に同行しているスタッフがその様子をレポートします。
地域に受け入れられるには?
旅の5日目、今日から各自のフィールドワークが始まる。タビコウでは、しばしば他愛のない世間話から議論が始まる。早朝の全体ミーティングでは、プロジェクトを統括する岩井成昭さんの「秋田のとある地域では、タケノコや山菜を各家庭で缶詰にする慣習があり、収穫した山の恵みを誰かにあげるために命がけで山に入る人がいる」という話から、県外から秋田に移住したばかりの受講生が「最近は、ご近所さんから畑でとれた野菜を大量にいただくようになった」と話題を展開。「よそ者」にとっては、見えない「関所」や「地域通貨」のようなものがあり、その土地に暮らす誰かに受け入れられると、人づきあいが円滑に進むのではないか、というディスカッションへと発展した。たとえば、秋田のそれが野菜やタケノコなら、大阪にはアメちゃんの文化がある。
4日目から最終日の10日まで私たちが滞在しているのは、鹿角市大湯の「Bar & Stay Yuzaka」という、居心地のよいゲストハウスだ。宿の真向かいには、「下の湯浴場」という公共温泉がある。ふだん着の温泉には、マイ桶とお風呂道具を抱えた地域の人たちが頻繁に出入りする。
この日の夕方、宿の外に出たところ、ちょうど前日の同じ時間に立ち話をした地元のおばあさんが腰をかけていたので挨拶すると「みんなで食べてけれ」と、一夜漬けのみずみずしいきゅうりを手渡してくれた。
2019.8.5旅程
9:00|Bar & Stay Yuzaka 全体ミーティング
10:00|鹿角・小坂地域 個別リサーチ
文・写真/伊藤美生(編集班)