AKIBI複合芸術プラクティス「旅する地域考」は、秋田を巡り歩く参加者の経験とアート領域の視点を重ねて社会を考察し、それぞれの「次なる旅」を企画提案する現地滞在型ワークショップ・プログラムです。
過去に4回実施したプログラムでは、秋田県内の特定地域を拠点に旅してきましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、自由な移動や他者との接触が困難な状況になりました。今年度はこの現状を踏まえ、今年度はオンラインを基本とし、受講生各自のフィールドワークを並行してプログラムを実施します。
5回目を数える2020年度のテーマは「転調する地域」。
これまでの価値観が大きく揺らぎつつある現在において「地域」「旅=移動」が意味するもの、表現との関係性、そして、ポストコロナの時代においてその捉え方がいかに変化するかを見据え、考察と議論を深めていきます。
さまざまな分野の大学生、アーティスト、デザイナー、キュレーター、ジャーナリスト、研究者、そして地域振興や社会活動に興味を持つ方の参加をお待ちしています。
「旅する地域考」では秋田県内地域を国内各地から集う受講生・国内外のゲスト講師と巡る集団の旅、新たな着想のありかを探る個人の旅を組み合わせ、集団と個人、ローカルとグローバルといった「あいだ」に敢えて身を置く機会を創出してきました。今回のプログラムでは、受講生それぞれの現場
世界情勢のめまぐるしい変化は、《地域》を巡るコンテクストをも複雑に変えつつあります。その実像を捉えるために、それぞれの現場から得られる知見をもとに、メンバー同士で多様な眼差しを交わし、複合的に《地域》を考察します。これまでの認識が大きく揺らぐ、そんな機会をご提供します。
「旅する地域考」の期間中に新たな企画の着想を得たり、活動候補地を見定めたりすることは必ずしもゴールではありません。自由な移動が憚られてもなおあり得る「もうひとつ」の旅を各自が試みることにより、手触りを持って未来を思考し、新たな視点を獲得する―その過程を重視します。当プログラムでは、受講生がこのような旅の記録や共有のあり方を存分に試行錯誤できるよう配慮します。