リサーチノート 04
「旅する地域考 辺境を酌む 冬編」の実施に向けて、旅考の運営メンバーは、次の旅先となるにかほ市と由利本荘市を事前に訪れ、リサーチを続けています。さて、この冬は、どんな場所にみなさんをお連れするのか。どんな体験ができるのか。現地で見つけたことや、感じたことを少しずつご紹介していきます。
魚の温度計
山形県遊佐町を流れる牛渡川は、ほぼ100%鳥海山の湧き水からなる川。淡水で透き通った水の温度は一年を通して10度から11度。海水温は数万年前の氷河期を経て、冷たい時代から温暖化が進む現代まで変化してきた。
その証左として、牛渡川にはこの地域より北でしか生息していない魚たちが数種類いる。海水温が低い時期にこの川に辿りつき、温度が変わらない水のせいで、大海原の変化に気づくことないまま出られなくなってしまったようだ。
魚を見ると、水の温度が時代の変化を教えてくれるようだ。
文・写真/柳澤 龍(ファシリテーター)