冬編レポート
DAY2
2020.1.9
「辺境を酌む冬編」、現場に同行したスタッフによるレポートをお届けします。
生き物の専門家
水を含んだ土の上に立つことに心地よさも覚えるようになったプログラム2日目。
遊佐町の「箕輪鮭孵化場」に鮭の姿はなかった。前日の雨で牛渡川が増水し、遡上どころではなかったそうだ。この日の始まりは地元ガイドの畠中裕之さんによるセッション。活力のある声で孵化場について解説し、本来ならこんな光景が見られたと言ってフリップを掲げる。その写真の中の牛渡川は青く、産卵のために母川回帰したたくさんの鮭が写っていた。
生物が専門の畠中さん。鮭をはじめ、タブノキ、ブナの木、梅花藻。生き物の話になるとその声に一段と力がこもる。これらの話をつないでいるのはすべてこの地に恵みをもたらしている湧き水だ。与えられた「水」というテーマで話をしつつも、話題は自分の話したいことに振り切っている印象だった。エネルギーがある話し方なので、こちらも思わず夢中になって聞き入ってしまう。室内で行われた午後のレクチャーでも、「やりたいように暴走します」と言いながら、スライドを使って遊佐町に生息する生き物の話を紹介していた。
文・写真/塚本 葵
2020.1.9 旅程
7:30| 山形県飽海郡遊佐町 箕輪鮭孵化場 見学
9:00| あぽん西浜 ポール・アグスタ(映画監督) レクチャー
11:00| 遊佐町フィールドワーク
丸池様~牛渡川、十六羅漢岩、鳥海山大物忌(おおものいみ)神社
14:00| 遊佐町吹浦防災センター 畠中裕之さん(ネイチャーガイド/現地講師)レクチャー
15:00| 遊佐町吹浦防災センター 岡啓輔(建築家)レクチャー#1
19:00| あぽん西浜 岡啓輔 レクチャー#2