冬編レポート
DAY4
2020.1.11
「辺境を酌む冬編」、現場に同行したスタッフによるレポートをお届けします。
継承される小屋作り
旅の折り返し地点となる、中間プレゼンテーションも控える4日目。午前9時半に旅館を発ったバスが向かったのは、にかほ市の横岡集落。毎年1月11日には、国の重要無形民俗文化財に登録された「上郷の小正月行事」、サエの神行事の小屋作りが行われている。
私たちは、100軒ほどだという集落をひとまわりしたり、作業の様子を見学したり、各々のペースでリサーチを行った。
柔らかい草地の上にどっさりと積まれた藁によって、小屋の形状が次第に整えられてゆく。集落の男性たちは慣れた手つきで、木で組んだ骨組みからたった1時間ほどで小屋に仕上げた。受講生たちが中に入ってみると、3人でいっぱいになるほどの広さだった。
その後のレクチャーでは、「横岡サエの神 保存会」のみなさんが、鳥追いの唄を歌ってくださった。本来は行事の時にしか歌わない唄であるというのに、太鼓まで出てきて場は盛り上がった。
「田舎は限界集落になりました。悲しいです」と言う保存会の方の声を聞いた。
4日後の15日にはこの小屋に火をつける。横岡の五穀豊穣、子孫繁栄を祈念して。
文・写真/塚本 葵(編集班)
2020.1.11旅程
10:00|にかほ市横岡集落 上郷の小正月行事「サエの神の行事」小屋建て見学
11:00|横岡自治会館 「横岡サエの神 保存会」による行事解説
15:00|にかほ市象潟公会堂 中間プレゼンテーション
19:30|にかほ市小滝集落 「小滝舞楽保存会」による御宝頭稽古見学