旅する地域考 2019夏編 未知の日常から、新たな問いと発見を生み出す。

旅する地域考 2020冬編 未知の日常から、新たな問いと発見を生み出す。

Tabiko News タビコウニュース

冬編レポート

DAY7

2020.1.14

 

「辺境を酌む冬編」、現場に同行したスタッフによるレポートをお届けします。

 

 

経験をシェアする

 

気がつけば、もう7日目。明日のプレゼンテーションに備え、受講生たちは朝から慌ただしく準備にとりかかっている。

冬編の受講生は15人、メンターは8人だ。同行スタッフ以外にも、ローカルゲスト、宿の人、ドライバーさん、地域の人々などを含めると、彼らの倍以上の人たちが関わることで、ひとつの旅が成立している。

5日目から最終日までの4日間は、象潟公会堂のそばにある「ホテルシティパレス」にお世話になっている。8日間で3つめの宿泊先。拠点が落ち着き、レクチャーや見学プログラムもほぼ消化したので、各自で町歩きをする時間の余裕もできた。

 

朝と晩は、ホテルの離れにある喫茶店のような雰囲気の食堂で、みんなで食事をする。次々と制作から戻ってきて空いている席につくと、おかみさんがテーブルに乗り切らないほどの夕食を出してくれるので、みんな秘かにこの時間を楽しみにしている。

日中はたくさんの課題があるけれど、食事の時はリラックスして今日の出来事や、ランチの情報交換、ふだんのことなどについておしゃべりする。

「ああ、こんな時間も明日で最後か」と思うと、無事ここまできてほっとするのと、さみしい気持ちが半々だ。

昨日までは、どんな制作をしているのか、みんなに声をかけてきた。でも今夜はあまり詳しく聞かないで、明日の発表を楽しみに待つことにしよう。

 

「いま一緒に経験しているってことが大切なのよ」。

シャルミラ・サマントがこう話していた。にかほ市は、私の自宅から車で1時間ちょっとで行けるくらいの身近な場所にある。観光ツアーでも、学生の合宿でもなく、地域、全国、世界のいろんな場所からやって来た人たちと集団で鳥海山麓に滞在する1週間は、とにかく初めて見聞きすることの連続だった。非日常の時間軸をシェアした8日間の経験は、この先の日常で、私自身にも、旅の仲間たちにも、何かしらの糧をもたらすのではないかと感じている。

 

文・写真/伊藤美生(編集班)

 

 

 

2020.1.14旅程

9:00|象潟公会堂 グループ・ディスカッション

10:00|象潟公会堂 メンタリングセッション、個別リサーチ、制作

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