祭の時、町内から選ばれた普通の家に神殿が作ら
れる。ここが神様の休む「御神宿(ごしんしゅく)」となる。この選ばれた家の主人が
「頭人(とうにん)」である。「頭人」を務める家は、「頭人」になる人自身が健康で
あることはもとより、その年に不幸があったり病人がいてはいけない。また、自宅に神
様を迎えるために家を清めなければならないし、多くの祭り関係者も出入りする。この
ように大変なことも多いが、町内あげての協力態勢ができているので、「頭人」となる
人も安心して務めが果たせる。
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107年前(明治25年)、私の先祖が「頭人」を務めました。今の私があるのは、先祖の
おかげ、そう思ってます。その先祖にもらった有形無形のものに感謝の気持ちをこめ
て、伝統を引き継いでいかねばならないと思い、「頭人」を引き受けました。 頭人に決まってから当日まで、病気や疲れでダウンしてはいけない、とそれは気を使 いました。宵宮の巡行の時、ゲタをはいて歩くのですが、当日そそうがあってはならな いと思い、毎日1時間くらい歩く練習もしましたよ。 そうそう、「頭人」の行いが悪いと、雨が降るって言われてるんです。私の時は前の 日まで雨が降ってたんですが、当日、見事に晴れました。いやあ、朝起きて青空が見え たときは、心底ホッとしました。 まあ、とにかく大変な役目でした。おかげで、円形脱毛症になっちゃって、今もね、 眉毛が抜けたまんまなんですよ。それでも、新屋の伝統を後世に伝えていく、この町の 人間としての務め、無事まっとうできて良かったと思っています。 |
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